三井住友信託銀行リバースモーゲージ徹底解説

■三井住友信託銀行リバースモーゲージの特徴
三井住友信託銀行のリバースモーゲージは借入形態によって返済方法が異なる3つのコースが存在します。
また、金利も比較的低いなどの特徴があるローンです。
まずは、基本的な商品概要や特徴について解説していきます。

・商品概要
申込条件:①55歳以上で借主の独居または借主と配偶者との2人暮らしの人
     ②三井住友信託銀行で遺言信託を利用している人
融資限度額:担保評価額に応じて決定
金利:2.975%(変動金利)
返済方法:借主死亡時に一括返済

・選べる3つのコース
三井住友信託銀行は借入方法によって「利払型」「年1回一定額引出型」「枠内自由引出型」という3つのコースを選択することができます。
詳細は後述しますが、利払型は利息だけは毎月支払いを行い、借入元金だけを借主死亡時に担保になっている自宅を売却して返済する方法です。
「年1回一定額引出型」と「枠内自由引出型」は利息は毎月元金に加算され、利息と元金を借主死亡時に自宅の売却によって返済する方法です。
借入方式も「年1回一定額引出型」と「枠内自由引出型」では異なります。
用途や返済プランに合わせて3つのコースから選択できるのは三井住友信託銀行のリバースモーゲージの特徴と言えるでしょう。

・関西中部も利用可能
三井住友信託銀行のリバースモーゲージは自宅を東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・愛知県・大阪府・京都府・兵庫県に構えている人だけが利用することができます。
都市部の価値と流動性が高い物件でないと、担保としての価値がないため、リバースモーゲージや不動産担保ローンは東京とその周辺県しか利用できないことが多いのですが、三井住友信託銀行は、関西や愛知県の自宅も担保として資金化することができるローンです。

・手元資金での返済も可能
リバースモーゲージの基本的な返済方法が借主死亡時に自宅を売却するという方法です。
しかし、三井住友信託銀行のリバースモーゲージは自宅の売却や手元の現金でも返済することが可能です。
また、借主死亡時に相続人が現金で返済することも可能です。
不動産価格が上昇している場合は現金返済をしたり、退職金が出るまでにリバースモーゲージで子供の学費などを借りておき、退職金で一括返済するという方法にも活用することができます。

・第1位の抵当権設定が必要
三井住友信託銀行で担保として利用できる自宅は抵当権第一位を設定することができる物件のみです。
したがって、先に抵当権がついている物件は担保として利用することはできませんので注意しましょう。

・推定相続人全員の同意が必要
三井住友信託銀行のリバースモーゲージは融資実行前に推定相続人全員から同意を得る必要があります。
この手続きは借主が死亡し自宅を処分する際に、相続人とのトラブルを防止するために行われます。
三井住友信託銀行のみならずほとんど全てのリバースモーゲージで必要な手続きになります。

■3つのコースを徹底比較
三井住友信託銀行のリバースモーゲージは「利払型」「年1回一定額引出型」「枠内自由引出型」という3つのコースがありますが、それぞれのコースにはどのような違いがあるのでしょうか?

・利払型
利払型とは限度額の範囲内で自由に借入が可能ですが、ローンカードの発行がないため、一度にまとまったお金が必要な人向けのローンです。
また、利息の支払い義務だけがあるため、元金が増えることはありません。
住み替えなどのまとまった資金を借りる際に活用できるローンです。

借入額:担保評価額の50%以内
借入方法:①契約時年齢55歳〜79歳:限度額の範囲内で自由に引出し可能(79歳まで。80歳以降は借入不可)
②契約時年齢80歳以上:限度額の範囲内で1回だけ借入可能
利息の支払方法:毎月支払い
元金の返済方法:死亡時に一括清算

・年1回一定額引出型
年1回一定額引出型は64歳まではカードローンのように自由に限度額の範囲内でお金を借りることができます。
65歳以降はカードの発行はなくなるため、毎年決まったお金の融資を受ける方法で、生活費の補填などに活用することができます。

借入額:担保評価額の120%以内
借入方法:①契約時年齢55歳〜79歳:79歳まで借入可能(80歳以降は借入不可)、65歳時に限度額を1度見直し、ローンカードは64歳まで
②契約時年齢80歳以上:限度額の範囲内で1回だけ借入可能
利息の支払方法:借入元金に加算
元金の返済方法:死亡時に一括清算

・枠内自由引出型
枠内自由引出型も64歳まではローンカードの発行があります。
65歳はカードの発行はなくなりますが、枠内で自由に任意の金額を借りることができます。

借入額:担保評価額の120%以内
借入方法:①契約時年齢55歳〜79歳:79歳まで借入可能(80歳以降は借入不可)、65歳時に限度額を1度見直し、ローンカードは64歳まで
②契約時年齢80歳以上:契約不可
利息の支払方法:借入元金に加算
元金の返済方法:死亡時に一括清算

■三井住友信託銀行リバースモーゲージのメリット
三井住友銀行信託銀行は用途と返済方式に合わせて3つのコースが選択できるということにほかに以下の5つのメリットがあります。

・55歳から利用可能
三井住友銀行のリバースモーゲージは55歳から利用することが可能です。
申込可能な年齢が若いということは、様々な方法にリバースモーゲージを活用することができます。
例えば、子供が医学部などの高額の学費が必要になる進学をした場合には、リバースモーゲージを活用して、お金を借り、退職金で一括清算するなどの活用方法も考えることができます。
ほかの銀行では60歳以上となっている商品も少なくありませんので、55歳から申込ができるという点は三井住友信託銀行のメリットと言えるでしょう。

・対象地域が広い
東京近郊しか対象としていない銀行が多い中で、三井住友信託銀行のリバースモーゲージは大阪、京都、兵庫の関西の3大都市に加えて、愛知まで対象になっています。
対象地域が広いというのも三井住友信託銀行のメリットと言えるでしょう。

・担保物件のハードルが低い
三井住友信託銀行で担保に入れることができる物件は評価額4,000万円以上となっています。
同じグループ会社である三井住友銀行のリバースモーゲージの条件が評価額6,000万円以上ですので、三井住友信託銀行の方がそれほど高額でない物件を所有している人でも活用することができる可能性が高いと言えます。

・3つのコースとも低金利
三井住友信託銀行のリバースモーゲージには前述した3つのコースがあります。
いずれのコースも変動金利で短期プライムレート+1.5%という金利です。
みずほ銀行のリバースモーゲージでは使い道が自由なコースは金利が高くなるため、どのような使い道に使用しても金利が変わらないという点も三井住友信託銀行のメリットと言えるでしょう。

・返済方法が選択可能
三井住友信託銀行のリバースモーゲージの大きなメリットの1つが利払型を選択することで、利息だけは毎月支払うことができるという点です。
リバースモーゲージとは、その名の通り、借入期間が経過するにつれて、借入額が増えていくという融資の常識とは逆転現象が発生します。
これは利息が元金に加算されていくためです。
しかし、利払型を選択すれば利息は元金に加算されることはありませんので、借入額が知らない間に異常に多くなっているということを防ぐことができます。
借りた分だけを死亡時に清算すればよいため、相続人も納得しやすいローンになっていると言えます。

■三井住友信託銀行リバースモーゲージのデメリット
三井住友信託銀行のリバースモーゲージは他の金融機関のリバースモーゲージと比較してメリットが多い商品と言えますが、大きなデメリットがあることも事実です。
最も大きなデメリットは遺言信託の利用が必須という点です。
また、その他にもいくつかデメリットもあるため、メリットだけでなくデメリットもしっかりと理解してから借入を検討しましょう。

・遺言信託の契約が必須
遺言信託とは、遺言を書くときに信託銀行を遺言の執行者として指定しておき、いざ相続が発生したときには、信託銀行が遺言執行者として資産を分配することです。
三井住友信託銀行のリバースモーゲージを利用するときにはこの遺言信託の契約が必要になります。
遺言信託は手数料が高額になるというデメリットがあります。
三井住友信託銀行の遺言信託は2つのコースに別れており、それぞれの手数料は以下のようになっています。

①プランⅠ
基本手数料:324,000円
遺言書保管中:年間6,480円
遺言書変更時:54,000円
遺言執行時:最低執行報酬1,080,000円(資産額によってさらに大きくなる)

②プランⅡ
基本手数料:864,000円
遺言書保管中:無料
遺言書変更時:54,000円
遺言執行時:最低執行報酬324,000円(資産額によってさらに大きくなる)

遺言信託には信託銀行が公正証書せ遺言書を保管することの信頼性などのメリットがありますが、これだけの高額の手数料がかかるため、相続資産が億を優に超えるような人でないと遺言信託を利用するメリットはないと言えるかもしれません。

三井住友信託銀行のリバースモーゲージは評価額4,000万円という比較的高価でない物件を利用することでお金を借りることができますが、遺言信託の利用が必須となるため、自宅以外にも資産を持っている人でないと、三井住友信託銀行でリバースモーゲージを利用するメリットはないと言えるでしょう。
むしろ、三井住友信託銀行で遺言信託を利用している、現金収入のない不動産所有者向けのローンと言えるでしょう。

・80歳以降の契約は1度しか借入できない
利払型と年1回一定額引出型は80歳以上でも契約可能ですが、実際にお金を借りることができるのは1回だけです。
リバースモーゲージは老後資金を借りるローンですが、80歳以上になると生活費の補填のために定期的にお金を借りるという方法で利用することは不可能です。

・先順位がある物件は取扱不可
商品概要でも述べたように、三井住友信託銀行は抵当権を第一位で設定する必要があります。
したがって、抵当権の設定が必要な住宅ローンの借入がある物件などは使用することはできません。
55歳と比較的若い年齢から借りることができるリバースモーゲージですが、借入時に住宅ローンが残っていたら利用することはできません。

・相続人が反対したら借入できない
リバースモーゲージは相続人全員の同意が必要です。
このため、相続人が反対したら借入はできません。
申込の前に子供や奥さんなどの推定相続人に話しをして同意をとっておくようにした方が良いでしょう。

・変動金利というリスク
三井住友信託銀行のリバースモーゲージは変動金利です。
変動金利には金利が上昇するリスクがあります。
このため、借入期間が長期化するリバースモーゲージは借入中に利息が上昇するリスクがあります。
利払型を選択し、金利が上昇した場合には利息の支払いだけで毎月の生活が苦しくなるリスクもあります。